スティール・ボール・ラン | ナレーション | |
時代背景を述べると グラハム・ベルが1876年に完成させた「電話機」は、 4年後には、アメリカだけで5万世帯の人々が所有していた。 北米大陸を横断した「蒸気機関の鉄道」は、 最高速度120km/h、平均88km/hに達していた。 また人々はスポーツ大会に熱狂し、プロ野球の ナショナル・リーグが1876年に誕生し、 初の優勝チームは、「シカゴ・ホワイトソックス」 ケンタッキー・ダービーでは、1891年競走馬「ドミノ」が優勝し、 「黒い旋風」と呼ばれて不敗を誇った。 そして1896年にギリシアのアテネで開かれる、 第一回国際オリンピック大会では、厳格なアマチュア規定が あるにもかかわらず、各競技には「賞金」が出されていた。 |
スティール・ボール・ラン | サンドマン | |
白人は「敵」だ。 だが……敵から身を守るためには、 「敵」の文化を良く知らなくちゃあならないって、考え方だってあるんだ。 部族のみんなの考え方はもう、この時代では通用しない。 みんなは自分たちが祖先の土地から追いつめられているっていうけど、 白人の基本概念は「カネ」だ。もう祖先の土地なんてない。 この場所は、カネを持ってるヤツの土地なんだ。 |
スティール・ボール・ラン | 執事 | |
苦情が出ています、MR・スティール。 海岸に作った特設トイレからウンコがあふれ返って…… ものすごい悪臭とウジ虫がわいてると… そのウンコの中で子供がころびました。 宿泊テントの数もたりません。 しかも、そのテントから火事が出て、 檻の中にいたライオンとコモド大トカゲが逃げました。 飲料水もたりません。 それと東洋人が犬を殺してナベで煮て食っています。 フランス人の男女がおっぱいとかチンとか丸出しで ビーチにねそべっているし、ケンカになりそうです。 |
スティール・ボール・ラン | スティール&スティール夫人 | |
うわあぁああああ〜〜ん。 どおおおおおしよおおお。 不安だよォオオ〜、ねえええ〜〜ッ。 失敗したらどうおおしよお〜〜。 このレースがぶっつぶれたら、どおおしよおお〜〜。 「大丈夫よ、スティーブン。 あなたは40年間プロモートをして来た男でしょ。 自身を持ちなさい……ガンバルのよ。 あたしのカワイイ人。」 うん、ボクがんばる。 「よちよち。」 |
スティール・ボール・ラン | スティール | |
この『スティール・ボール・ラン』レースは、1890年9月25日午前10時、 この太平洋『サンディエゴ』のビーチをスタートし、 ゴールを『ニューヨーク』とする、人類史上初の乗馬による、 北米大陸横断レースである。 総距離約6000km。 このルートを通り、優勝者には賞金5千万ドル(60億円)が、 イーストアンドウエスト銀行の個人口座に支払われる! 2位100万ドル。 3位50万ドル。 4位25万ドル。 5位12万ドル。 以下10位までや、チェックポイント賞など細かい各賞が決められている。 参加者は16歳以上なら、国籍・人種・性別・プロ・アマチュアは問わない。 参加量が必要で、ひとり1200ドルである。 |
スティール・ボール・ラン | スティール | |
ワイオミングのカウボーイ、マウンテン・ティム。 彼は毎年、3千頭の牛を連れて牧草地4000kmの旅をする。 ルックスもイケメンだ。 アラブ諸国のエジプトから、ウルムド・アブドゥルはラクダでの参加! サハラ砂漠を年に3回も横断する! 東洋から来た馬術の名人は、ドット・ハーン! 彼はユーラシアを征服したモンゴルの馬賊、チンギス・ハンの子孫だ! そして、イギリス下層階級の出身だが、名門貴族に育てられ、 競馬界で認められた天才ジョッキー、ディエゴ・ブランドー。 通称ディオ! トラックでの天才が、この長距離で通用するのか……。 |
スティール・ボール・ラン | 記者&スティール | |
距離がすごすぎます……もしゴールまで…… ニューヨークまで誰ひとり到達できない事態が起こったとしたなら、 レースは大失敗! 出資者たちは怒るだろうし、 スポーツ大会自体の信用の失墜になる! その時、あなたはどう責任をとられるつもりですか? 「消されるかも…………なんちゃって……」 |
スティール・ボール・ラン | スティール | |
失敗というのは……いいかよく聞けッ! 真の失敗とはッ! 開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に、 無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ! このレースに失敗なんか存在しないッ! 存在するのは、冒険者だけだッ! この「スティール・ボール・ラン」レースは、 世界中の誰もが体験したことのない競技大会となるだろうッ!! |
スティール・ボール・ラン | 記者&スティール | |
もうひとつ…うしろにいる方は、奥様ですか? 14歳とききましたが。 「関係ねーだろ、レースとは。 記者会見はおわりだ。」 |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
ニョホ ホ ホ |
スティール・ボール・ラン | ポコロコ | |
「天中殺」って知ってるか…じじい。 もう一回言うぜ…はい! 「天中殺」。 長い人生で一番ドン底の次期を「天中殺」って言うそうだ。 だが聞けよ、オレあ、その逆だってよ!! 『最悪の逆』!! 来月から2ヶ月人生最高の至福の次期がやってくるんだと! ウキキ。 その2ヶ月は、なにやってったてハッピーの文字しかねーんだとよ。 |
スティール・ボール・ラン | ジョニー | |
この『物語』は、ぼくが歩き出す物語だ。 肉体が……という意味ではなく、青春から大人という意味で…… ぼくの名前は『ジョニー・ジョースター』 最初から最後まで、本当に謎が多い男、 「ジャイロ・ツェペリ」と出会ったことで…… |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
死因のトップは何か知ってるか? 蚊が媒体する伝染病が1位で、馬に蹴られて死ぬやつがその次だ。 おまえさんが、その順位を入れかえるつもりか? |
スティール・ボール・ラン | ジョニー | |
1890年の夏―― ただひとついえる事は―― このビーチには、「美しいもの」が確かに存在していた… 暗闇の中に見える「美しいもの」―― ぼくは、何かにひきつけられてこのビーチに来た。 希望という「光が存在する」のか―― |
スティール・ボール・ラン | 通行人 | |
3500を越えてるらしいぜ。 「なにが?」 参加者の数だよ。 3500人以上だ。 当初の予想の7〜8倍の人数が、この大会に集まってるらしい。 「ひえ〜〜、そんな数、みんな公平にスタートできんのかな?」 スタートはな、そのためにビーチを選んだんだろ…… だがな…オレ個人の意見を言わせてもらえるなら、 最初の一週間で、半分以上は脱落するとみてるね。 いや、2/3以上かも。 このレースは、スポーツじゃあなくて、サバイバルだからな。 |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
オレに意見を求めたのか? だが、言わしてもらえるなら、 ヤツには、決して乗れない……あれじゃあ乗れないね。 逆に言うなら、あれに乗れたら、人間を越えれるね。 |
スティール・ボール・ラン | スティール | |
開会のあいさつは、こんなもんで、 あぁ〜〜、イイッすかねェェェェェーーーーと。 |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
その馬の選択は正しい。老いた馬には、経験がある…。 このレースのような場合、足をくじいたりするような危険な土地に、 いきおいで突っ込んでいったりしない。 体力だけの若い馬のようにはな……。 |
スティール・ボール・ラン | ジョニー | |
ラクダの走り! スローモーションに見えるが、脚の長さは、馬の約倍! その歩幅! 十分馬とはりあえるスピードに加速できるッ!! しかも、体重は800キロを越え、馬の約1.5倍! 近づくものを押しつぶして、ゴールを狙うつもりだッ! |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
もらえるものは、病気以外なら、なんでもイタダくぜ。 ……タイム・ボーナスはとくにな〜〜〜。ニョホ。 |
スティール・ボール・ラン | ディオ | |
なんであろうと……必ずクセというものがある。 それが機械であろうと、物であろうと。 特に馬は生き物でし、人間以上にストレスもあれば、個性もある。 レース中、個々の馬のクセを読みとり、そこを攻撃すれば、 どんなスタミナの馬だろうと、抜く事は可能! 当然、この男が乗ってる馬にもクセがあり、 この馬は、8回呼吸をするごとに一度、 必ずわずかに体を左にぶらしながら走る! そして当然の事として、その時ぶれた分、スピードが落ちるッ! つまり、馬がぶれた時だけこっちが加速すれば、 我が愛馬の方は、無駄な労力を使わずに疲れさせずに、 ヤツのスピードに追いついていく事になる。 |
スティール・ボール・ラン | ポコロコ | |
きのうの夜さぁ〜〜、 このランプに虫がいっぱい寄ってたかってくんだよね〜、 何匹たかってんのか数えてたらさぁ〜〜、 すっげェ〜〜良く眠れたッ! |
スティール・ボール・ラン | ポコロコ | |
オレは「10億分の1の男」だ……それを信じるぜ…… それを信じてサンディエゴに来たんだぜ…… 違ってたらここで終わりだ…… おれは優勝する。 優勝して……故郷に帰って…… もっともっとハッピーに暮らすんだぁーーーーッ。 |
スティール・ボール・ラン | ポコロコ | |
オレは50億分の1のラッキー・ガイだッ! UH!OHHH! もう間違いねえ…… それが間違いなら、落馬してるはずだぜッ! |
スティール・ボール・ラン | ジョニー | |
やっぱりな……… つまらんただの薄っぺらな、ハッタリ屋だったか。 |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
ルールブックはどういうか知らねえが、このレースは馬に乗るレースだッ! 「牛の死体」に乗り換えちゃあいけねえぜッ! |
スティール・ボール・ラン | ディオ | |
どうやらここから先はもう……「技術」なんて使っても無駄なようだ… …あるのは「脚力」だけだ。 ここに来るまで、どれだけ「脚力」を温存して来たか……!! それだけだッ!!残された「脚」だけがッ!勝者の条件となるッ! |
スティール・ボール・ラン | サンドマン | |
オレには、もう帰る故郷はない…… だがお姉ちゃん…オレは…このレースを勝ってみせる…… 大地の精霊のために…父さんや祖先たちの精霊のために… みんなオレに力と勇気を与えてくれッー |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
ところで突然だが、おまえさん。 船に乗ったことあるか?オレは乗ったことがある。 知ってるか? 帆船てのは、海の上で 向い風を帆に受けるほど早くなるんだぜ。 『向い風』だぜ! メキシコからの『向い風』ってのは、 愛馬が走るのを助けるためにあるんだ。 初めっからな! |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
変な帽子だよな……あいつ。踏みつけてやりたいね…。 まだ頭の上にのっかっているうちに、踏みつけてやりたいね。 |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ&ジョニィ | |
はい、大丈夫ッ! 完璧に合ってるぜ!OK! たぶん 「え! 今なんて言った? ちょっと待って! 今、小さくたぶんて付け足さなかった? たぶんッ!?」 心配すんなって!! 合ってるよッ! 気球だって、後続だって来てんだから合ってんだよッ! きっと 「なにそれ!? きっとォォ!?」 |
スティール・ボール・ラン | ミセス・ロビンスン | |
ある砂漠の村では、もめ事で殺し合いが起こった時…… 敗者をサボテンに鎖でくくりつけて、わざと「死ぬ」のを待つ… サボテンは死人に「呪い」をかける。 死んだあとも奴隷にできて、復讐とか恨んだりできないようにとな。 |
スティール・ボール・ラン | ジャイロ | |
おたくは、他人のものを盗み見る教育を受けて育ったのか? 開けるのは、自分の荷物だけにしとくんだな。 |
スティール・ボール・ラン | アンドレ&L・A | |
なあ、よお、L・A。こういう事できるか? 鼻の穴ペッタンコ! 鼻の穴ペッタンコォ! 「わあああっ、スゲェッ! さすがアンドレ兄ちゃんだッ!どうやるんだ!?」 ボーケ!教えてやらねェェーッ。 オメェーにゃあ、一生かかってもできるわけねーよ! 耳も耳の穴に入るぜェーッ。耳のペッタンコだ! オメェにゃあできねえッ! 「わああっ!!スゲェーッ!!」 |
スティール・ボール・ラン | ベンジャミン・ブンブーン | |
知ってんだよ!! いつからてめーは物知り博士さんになったんだッ!? てめーごときの脳ミソで、わかった風な口きいてんじゃあねえッ! |
スティール・ボール・ラン | ベンジャミン&アンドレ | |
出たぞ…。我が家のオリコーさんが意見しやがったぞ…… 「クソ脳ミソがよ。」 |
スティール・ボール・ラン | アンドレ | |
はは〜〜、おれには、父ちゃんの考えてることが良ーーーくわかったぜ! イヒヒヒイイッ! そりゃあ、絶対確実だなぁ。 |