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前回のあらすじ―


可憐「おめでとうございます! あなたは100万人の中から選ばれた由緒ある当選者です!
    記念といたしまして、かの有名なアイドル女優、豚頭麗香(ブタガシラ レイカ)も愛用している
    特製ジョークTシャツを差し上げます!
    この、『生まれた時は、誰でも無職』Tシャツが、なんとタダで手に入ります!
    さあ、受け渡しの確認といたしまして、ここにサインと拇印をお願いしまーす(はあと)」



『連帯保証人』




ある日、突然やってきた光の園の住人「可憐」によって、咲耶は光の使者「ピュアブラック」として戦うことになった。
敵に奪われた「エイジャの赤石」を取り戻すために、ドツクゾーンたちとの戦いの日々。
もう一人の仲間、「ピュアホワイト」と一緒に、光の園の平和を取り戻すのだ!



『それでも咲耶はシンデレラに憧れる2』


咲耶(続きはどこからだったかしら…? そう、腕を組んだところからよ…!
    さっきお兄様が、私の肌と触れ合った時、言葉がなくても通じ合ったわ。 それなのよ…私の望むことは。
    心と心が通じること。それだけが生き甲斐なの。
    もう超照れって感じ。業界用語で言うと、レイテチョ。)


パアアアアアア

兄(こ…この、やさしくて、あたたかな輝きは…?)

咲耶(さあ、お兄様。もう一度、私と手を組んで…)


2人の肌が触れ合おうとした、その時…


四葉「ああー!兄チャマじゃないデスかッ! いいトコで出会いました。
    これからデパートに写真を撮りに行くんデス。兄チャマ、付き合って下さい!」

兄「よ…四葉!」

咲耶「…………」

四葉「おやっ! 何かと思えば、オマケの咲耶ちゃん。 元気?ミップルメップル調子いい?
    ポン! ねっ、いいでしょ?お茶くらいご馳走するするデスから〜。」

兄「ボ…僕、もう家に帰るんだけど…。」

四葉「一時間以内で済むデスからさー。 デパートの中、一人で写真撮るとハズかしいでしょ?
    お茶おごるデスからさー。付き合ってください。ねッ!決めたデスね!?」

兄「わがままだなあ…もう。」


な…なんなの?これ。
おかしいわね! 一体どうしたっていうのよ!

私はポケットから携帯を取り出し、千影ちゃんに電話をかけ始めた。

ピッ
プルルルルル……



♪ペーペポ ペーポポペー
____ ペーペポ ペーペポ ペペポポペー♪(着信音)
|屋上遊園|
 ̄ ̄ ̄ ̄     ('A`)
        ヘI ノ( ノ )
       ('ω` ) <  )〜
        U U U U


ピッ

千影「はい、他店より1円でも高いサービスがあれば、お申し付け下さい。
    二度と、その軽口を叩けないようにして差し上げます。
    が、合言葉のエステ『千影ハウス』です。」

咲耶「能書きが長いわよ! そんなことより、私は『生涯無敵のニューヒロイン』になったんじゃあないのッ!?
    あんたのエステの効果は、どーしたっていうのよ!」

千影「……。いいや、兄くんの『心』は、すでにキミのことが好きなハズ…。
    でも、兄くんの理性がキミを拒んでいる……。
    心では好きだけど…兄妹で好きになってはいけないと…思っているのさ…。」

咲耶「…………」

千影「でも大丈夫…。いずれ『運勢』はキミに味方する…。
    私のエステは絶対さ……。 
たぶん

咲耶「え! 今なんて言った?
    ちょっと待って! 今、小さくたぶんて付け足さなかった? たぶんッ!?」

千影「心配することはない…。私のエステが失敗したことはない……。
    咲耶ちゃんだって、例外ではないよ……。 
きっと

咲耶「何それ? きっと!?」

プツッ…
ツー、ツー、ツー…


切ったわね…。
でも、まあいいわ。『運勢』は私の味方ね。



数分後―


可憐「ああ! お兄ちゃんじゃないですか。 どこへ行くんですか?」
兄  「あっ、可憐。うん、ちょっと……」
可憐「え、デパートに行くんですか? 可憐もですよ。」


何よコイツら…。 どんどん増えてくじゃないの…
しかも 何? 一番いてほしくない可憐ちゃんがいるじゃないの!


可憐「♪後出しで〜 勝ったけど〜 土地の権利は頂いたー!!
    区画整理に被るから〜 うなぎの〜ぼりの土地価格!
    屎尿撒け! 屎尿撒け! 屎尿撒け!(ゲロモニじゃんけんぴょんにのせて)」

消えなさい毒電波!
邪魔してるのは、今のアンタよ!

そんなこんなで、お兄様と一言も喋ることもないまま、デパートへと入っていくのでした。
お兄様は終始、四葉ちゃんと喋ってばっかりで、私になんか眼中にないみたい。
ちょっとムカついたので、隣にいた可憐ちゃんと3回ほど死闘を繰り広げていたわ。


咲耶「あんたがお兄様のそばにいると、軍産複合やら、レジデント・オブ・サンやらが動いて
    地球が滅亡するっぽいのよ。 ノストラダムスだって、何百年も前からそう予想してるわ。
    というわけで、サイコロ10個振った分だけ物件売った後、
    ぶっとびカードでベトナムあたりへボラーレ・ヴィーアよ!」

可憐「ヒドォオチョグテルトヴットバスゾ!(人をおちょくってると、ぶっ飛ばすぞ!)」


ほんのちょっぴり流血沙汰になっちゃったけど、お兄様は私達の事に気付いてないみたい。
それはそれで良かったんだけど……。


咲耶「ふぅ〜。無駄に疲れたわ…。」
可憐「やりますね咲耶ちゃん。ガレンドゥ、イショニタタカッテクレルンウゥエ!! 」
咲耶「絶対イヤよ!」

こめかみあたりにコブシを打ち込んでみたけど、あまり効果はないみたい。
やっぱ、人間じゃないわこの娘。

その後、文具店で『デスノートってどこディスカー!?』と叫ぶ可憐ちゃんと、四度目のリアルバウトを死合った後、
ようやく四葉ちゃんの撮影場所が決まったみたい。
今年流行の夏服売り場をチェキするとは、四葉ちゃんもやるわね。
私もこんなオマケがついていなかったら、ゆっくり吟味するところだったのに…。


四葉「さ〜て、この辺からチェキしてみるデスかね〜。」

パシャ パシャ

あらかじめ下調べしておいたのか、四葉ちゃんはどんどん写真を撮っていく。
後で何枚か焼き増ししてもらおうかしら。
そして、可憐ちゃんがバカ面ピースで割り込もうとしたので、少しキュッと。


店員「あの〜、すみません。ここでの撮影は禁止されているんですが、誰かの許可は頂いておりますか?」


突然、横から店員さんらしき人が話し掛けてきた。
まぁ、当たり前よね。普通、こういうところは撮影は禁止されているはずだもの。


四葉「許可? 撮影してるのは四葉デス。 だから四葉が決めるものデス。」

店員「いえ、許可がないと…。 一応、店内は撮影禁止となっておりますので。」

兄「ちょ…四葉。 ああ、すいません。すぐに止めさせますので。」


何かイヤ空気になってきたわね…。 トラブルはゴメンよ。
それよりも、あそこでマネキンの額に『大往生』なんて書いてる娘を誰か止める気はないの?
それはともかく、四葉ちゃんはまだ引き下がらないみたい。


兄「ほら四葉、もう十分写真は撮ったろ? 店員さんに迷惑がかかるし、もう行くよ。」

四葉「いーや、兄チャマ。気付かないデスか? この店員さんは、明らかにアヤしいデス!」


びしぃ!と指さす四葉ちゃん。
何がアヤしいのよ。これ以上騒ぐようなら、無理やりダマらせるしかないわね。


四葉「四葉を欺こうたって、そうはいかないデスよ!
    推理能力なら四葉の右に出る者はいないデス!左にズラッと並んでいるのはご愛嬌!
    兄チャマ! この人はブラックダダーンの手先なんデスよ!」

兄「ブ…ブラックダダーン?」


何よそれ。近未来ポリスのつもり?
店員さんはいきなりのことで面食らってるみたい。


店員「何ですか、そのブラックダダーンって?」

四葉「何がブラックバンバンだコノヤロウ。 ブラックダダーンのBの字も知らないド素人のクセに!
    可憐ちゃん!ブラックダダーンを分かりやすく説明してあげるデス!」

可憐「アーサー!」


B、L、A、C、K! ダダーン! ダダーン!


可憐ちゃんは必死に体でアルファベッドを表している。
最後のダダーンは、エビ反りになってジャンプ。
あんなポーズ、昨今の芸人でも真似するのは無理よ。

店員さんとお兄様は、面食らったみたいに立ちすくんでいる。
そのまま数秒が経過し、先に口を開いたのは店員さんだった。


店員「…あの〜、それで…?」

四葉「それだけデス!


やっぱり勢いだけの四葉ちゃんであった。
ネタが続かないなら、やらなければいいのに…。


兄「…じゃあ、気が済んだのなら行くよ四葉。」

と、お兄様が四葉ちゃんの手を取った時…


可憐「ああッ! こんなところにアヤしいマネキンがッ!」

…と、突然奇声をあげる可憐ちゃん。


四葉「何デスと!? ムムム! これは確かにアヤしいデス!
    額に『大往生』なんて書いて、何様のつもりデスか!」

いや…それは、さっき可憐ちゃんが書いた…


可憐「きっとコイツが店員さんを操っていた元凶なんですよ!
    四葉ちゃん、ヤッちゃって下さい!」

四葉「OK! くらえ西ドイツ! これが四葉のネオタイガーショットだ!

バキッ


と、四葉ちゃんはマネキンの頭にボレーシュートを打ち、
取れた頭が店員さんの顔に激突した。

ゴッ!

店員「えっ…」


鈍い音を立てて、店員さんは声を出す暇もなく昏倒するのであった。


四葉「決まったぁ〜! 四葉ちゃんのシュートが西ドイツのゴールに突き刺さったぁ〜!!」

可憐「やりましたね! これで若林なんて楽勝ですよ! ピーピープー!(指笛)」


盛り上がっているところ悪いんだけど、今の騒ぎで人が集まってきちゃったんだけど…
それに制服をきた警備員さんが見えるような、見えないような…。


可憐「ムッ! 四葉ちゃん。あそこにピーポ君の下僕が!」

四葉「違うデスよ、ブラックダダーンデスよ!
    敵の増援デスか。こいつは分が悪いデスね。一時退却を要するデスよ!」

2人はきびすを返して、こっちに走ってきた。


四葉「逃げるんデスよォ!」
可憐「どけーッ、ヤジ馬どもーッ!!」


と、鬼気迫る顔で全力で逃げようとする2人。
その時に四葉ちゃんがお兄様とぶつかってしまった。

ドンッ!

兄「あっ!!」

咲耶「!!」


四葉ちゃんに押されて勢いで、お兄様が私の腕の中に入ってきた。


兄「さ…咲耶。」

咲耶「お…お兄様。」


事故とはいえ、急に密着した状態になったから、しばらく時が止まったように思えた。
そしてさりげなく私はお兄様の腰に手を回す。


咲耶(これよ……。『運勢』ってこれなんだわ…。通じ合っている…お兄様の心と私の心が通じ合っているわ…
    お兄様も、私のことが好き…。それが今…わかるわ…。
    周りにギャラリーがいるように見えるけど…。でも今はそれどころじゃあないわ…。
    こんな時に周りの声が聞こえる…?)



警備員「え〜、キミたち。何があったか、説明してくれるかな?」


…聞こえたみたい。
私の恋は5秒で終わりを告げた…。



クローバー「フハハハハ! ブラックダダーンの手先共よ!
        兄チャ…そこの少年と少女を離すデス!
        でないと、この美少女怪盗クローバーがSEIBAIしてくれるデス!」

可憐「そして何気に、助手の可憐登場! シュピーン!

クローバー「違うデスよ、さっき決めたでしょ? 可憐ちゃんの名前は、極上パロディウスデスよ。」

極(ry「そうでした。極(ry参上! 好きなスポーツは野球盤。好きな風来はシレンです!」


…と、どこからか覆面ヅラの怪しい2人が押し入ってきた。


クローバー「さあ、悪党共よ! 2人を離さないと、この何か危ない爆弾っぽいのに火を付けるデスよ!
       ね?危ないデスよね? クローバーだって、まだ小さいから、花火をする時は保護者と一緒に
       するようにって、兄チャマに言われてるんデス!
       だからなるべく使いたくはないんデスけど、人質を解放しないと、
       もしかしたら使わなきゃいけないのカナーって思っちゃうんデスよ! ねっ、極(ry?」

極(ry「はい!そう思って、既に火をつけておきました。可憐えらい?えらい? ジジジジジ…

クローバー「ハハハハハ! こやつめこやつめ!
        そんなことしたら、クローバー達が逃げられないじゃ…」




ドーーーーーン




私の恋は、一分後に地獄へと変わった…。








CM中


風小僧グループ。お人形の厨月から、世紀のアイドル可憐ちゃんの等身大人形が、
全国風小僧デパートで、だいたい10月下旬一斉発売。
おもちゃ界、人形界始まって以来という実物大。身長184cm、体重だいたい120kg!


可憐「とぁーら!このヤロー! っざったら!このヤロー! アバラの上から三枚目経絡突いたろか!
    割ったろか!ひざの皿ーッ! てーめッこのヤロー! 捻ったるわ!興奮剤の赤じゃーッ!!

可憐「…えっ? これマイク生きてるの? ほ、本番!?
    コホン…。可憐超ウルトラスペシャル人形、その名も『可憐モッコス。』 お腹を押すと水が出ますぅ!
    だいたい10月下旬一斉発売。買わないとチョームカつくしぃ。」



CM明け



その日、鞠絵はいつものように漫画を描いていた。
コミケが近い今、最後の追い上げをしなければいけなかった。
いつもと違うところといえば、可憐も一緒に漫画を描いていることだった。


可憐「なんか外、天気いいしさあー、一日ぐらい漫画描かなくたってさあー。
    なんか今日は乗り気じゃあないんですよー。」

鞠絵「あのね、可憐ちゃん。 あなたは立派です。自分の方からコミケに行きたいから
    『漫画を描かせてほしい』なんて、なかなか言えるものじゃないですよ…。
    そして、コマ割りだって覚えたじゃないですか。
    教えたとおり、やればできますよ。可憐ちゃんならできます…。
    いいですか、漫画に大切なのは何ですか?」

可憐「漫画に大切なもの…。え〜と、リアリティ?」

鞠絵「そうッ! やっぱりできるじゃないですか! もう半分できたも同然ですよ!」

可憐「そーかッ! リアリティですねッ! よしっ!」


そう可憐を諭したあと、鞠絵は自分の漫画を見直していた。



「う〜〜 トイレトイレ」

今 トイレを求めて全力疾走している僕は プロミストアイランドに通うごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば 妹が13人いるってとこかナ――
名前は海神航。

そんなわけで 帰り道にある公園のトイレにやって来たのだ

ふと見ると ベンチに一人の若い男が座っていた

「ウホッ!いい男・・・」

そう思っていると 突然その男は 僕の見ている目の前で、
制服のホックをはずしはじめたのだ・・・!

「やらないか」

そういえば、この公園は、ハッテン場のトイレがあることで有名なところだった。
イイ男に弱い僕は、誘われるままホイホイとトイレについて行っちゃったのだ(はあと)

彼――
ちょっとワルっぽい高校生で、山神アキオと名乗った。


――(略


鞠絵「フフフフフ…。我ながらいい出来ですね。」

そんな自画自賛している鞠絵の横で、可憐は黙々と描き続けていた。


可憐「よーし、出来ましたー!」

鞠絵「ん?出来たんですか? どれどれ…」



ひゃあ〜〜、遅刻、遅刻! 遅刻しちゃう!
優等生で鳴らすこの可憐が、新学期初日に遅刻かますなんて大問題〜!!
でも、健康に気をつかう身としては、朝食はしっかりとらないと気がすまない私は、パンよりゴハン派〜!!
でもゴハンだけじゃ飽きるから、おかずも何か持ってくればよかったな〜〜。
何て思った瞬間、横道から飛び出す人影が!?

案の定、衝突〜!!

どっし〜ん!!

きゃうっ! ひゃいたぁ〜…


「ごめん、ごめん! 大丈夫か?君!」


どきんっ…

あ…
ま…曲がり角でぶつかった相手は、ちょっとステキなお兄ちゃん…
その瞬間、私の小さな胸は、結節性動脈周囲炎起こしそうなくらい高鳴ったの……
これって恋のはじまり? きゃー! そんな可憐ってばマンガのヒロイン?


パサッ…


可憐「どうですか、鞠絵ちゃん?」

鞠絵「……………………ええ…いえ…もう少し読んでから……。」



あーあ、可憐ってなんてドジなんだろ。
あの人の名前も住所も電話番号も聞かなかったなんて。
バカ!バカ!可憐!


「あー、授業の前に、今日はみんなに転校生を紹介する。
 転校生のお兄ちゃんだ。」

あ…あの人は…



鞠絵(て…転校生ネタ…。)

可憐「どうでしょうか?」

鞠絵「………え…ええ……よろしいんじゃないでしょうか…。」

可憐「やっぱりぃ!感動したのなら、どんどん泣いちゃっていいですよ!ハハハ!」



「待ってくれ、ぼくのかわいい可憐。」

うふふふふ。つかまえてごらんなさーい!
きゃっ。

「フフッ、追いつめたよ(崖に)」

やーん、お兄ちゃんのいじわる!

「そらっ、つかまえ…」

ガラッ!

「た………」

きゃ〜〜、お兄ちゃん!!


こうしてお兄ちゃんはお星様になってしまいました…。
でも可憐、さみしくはありません。
だって、いつでもお兄ちゃんは、可憐の胸の中にいるのだから…

END




鞠絵「……何ですか、コレ…?」

可憐「手屁ッ! 感動しましたか?」


ザグゥッ!

可憐「あぎゃアアアーーーッ!」

鞠絵「この毒電波が、私をナメているんですかッ!
    リアリティって言っておきながら、何でメルヘンになっているんですか!
    それに、兄上様を殺してどーするんです!?」

可憐「そこがどーしても描きたかったんです! ガルルルルル…!」


そんな、ありふれてる会話を交わしている時だった。


コンコン

兄「あの、鞠絵入るよ。」


サッ!

可憐「ごめんね、鞠絵ちゃん。可憐、今度は真面目にやりますから。」
鞠絵「私の方こそ許してください、可憐ちゃん。」

兄「………? ああ、可憐もいたのか。」

鞠絵「ええ、そうなんですよ。ちょうど遊びに来ていて。
    ささっ、兄上様。ずずーっとお座り下さい。 今、紅茶を用意いたしますから。」

兄「ああ、ありがとう鞠絵。」

可憐「ばわん!(ブタレイ語で、こんにちは)」

兄「やあ可憐、元気そうだね。 あのさ、この前デパート行った後から記憶がないんだけど、
   僕たちあれからどうしたっけ?」

可憐「やですねぇ、お兄ちゃん。あの後、お茶して帰ったじゃないですか。」

兄「…あれ、そうだっけ? まあいいや。」


兄は、どこかでリセットをかけられたのかなぁと思いながらも、それ以上考えるのはやめることにした。


鞠絵「兄上様、紅茶が入りましたよ。」


鞠絵の入れてくれた紅茶を飲んだ後、しばらく他愛のない会話を交わしていた。


可憐「ところでお兄ちゃん、今日は何のご用で来たんですか?」

兄「ああ、うん…。ちょっと言いづらいんだけどさ…」

鞠絵「何でも言ってください。兄上様のお力になれると思いますよ。」

兄「そうかい? 実は咲耶のことなんだけどさ…」

可憐「咲耶ちゃん?」

兄「うん、この前、デパートに行ったじゃないか。その時、咲耶とトラブルがあっちゃって…」

鞠絵「トラブル?」

兄「ほんの事故だったんだけどさ…。誤って咲耶に抱きついちゃったんだよ、僕。」


鞠絵「…………。」
可憐「…………。」

しばし沈黙。


ポンッ

鞠絵「ああ、それでセクハラで訴えられて、凄腕の弁護士を探しているというわけですね。ナルホド。」

兄「い…いやいやいやいや。」

可憐「痴漢者トーマス?」

兄「いや…言ってる意味がわからないんだけど。」


とりあえず、それは置いといて…。


兄「それであれ以来、咲耶、僕に会ってくれないんだ…。
   会ってくれないどころか、電話にも出ないんだよ。
   いるんだよ、家には…。でも僕とは話たがらない…。」

可憐「ふむふむ。つまりこーゆーことですね。 レディ・ゴー!

バフッ!

兄「ぐはっ!」

鞠絵「なっ!?」

可憐は前かがみになると、思いっきり兄に体当たりして抱き締めていた。


可憐「と、1974年のスーパーボウル、マイアミ・ドルフィンズの
    RB(ランニングバック)ラリー・ゾンガ振りのタックルをかましたので入院中ということですね。」

兄「げふっ…違うし、可憐締めすぎだって…。」

鞠絵「ちょっと可憐ちゃん!ブレイクしてこっち来なさい!」

鞠絵は、可憐を引き剥がして傍に寄せた。


鞠絵(可憐ちゃん、どういうことですか!? 無作法に兄上様に抱きつくなんて…。
    私だって、ハギングしたいのに、それを可憐ちゃんは…。)

可憐(じゃあ鞠絵ちゃんも、ジョー・モンタナちっくにタックルかませばいいじゃないですか。)

鞠絵(そんなこと出来るわけないでしょう! だいたい、可憐ちゃんには情緒ってものが(略――)


…と、本題に戻って。

兄「やっぱり、あんなことしちゃったから、咲耶に嫌われちゃったのかなぁって…。」

可憐「でも、それはお兄ちゃんが直接咲耶ちゃんに会って聞くしかないと思いますよ。
    何か咲耶ちゃん、可憐に対してノリが悪いですから。」

兄「う…うん。そうか、わかったよ。」

鞠絵「ハギング……。兄上様とハギング…。ブツブツ…」

兄「ごめんね、つまらないこと聞いちゃってさ。 じゃあ、僕はこれから咲耶に会ってくるから。」

可憐「はい、お兄ちゃん。バイバーイ。」

鞠絵(やはりここは病弱ということを生かして、さり気なく兄上様にもたれかかる作戦でいきましょう。
    可憐ちゃんだけハギングなんて許せませんものね。さっ、レッツ、ハギング!)

鞠絵「ああ、持病の癪が…。兄上様、私胸が苦しくてしかたがあり」

可憐「何やってるんですか、鞠絵ちゃん? お兄ちゃんなら、もうとっくに帰りましたよ。」

鞠絵「ませ………え…?」


我に返って辺りを見回すと、そこには兄の姿はどこにも無かった。


鞠絵「…………」

可憐「どうしたんですか、鞠絵ちゃん。」

鞠絵「…ハギング。」

可憐「え?」

鞠絵「この広げた腕で、兄上様とさりげなくハギングしようだなんて、そんなはしたないことはもちろん思ってませんが、
    可憐ちゃんが大胆不敵にもやってのけたので、私だって、ちょっとぐらいはいいかな〜、
    なんて、かわいく乙女チックにときめいても、そこはやっぱり控えめ鞠絵ちゃん。
    声を大きくして言えない私は、病弱というスキルを活用して兄上様の気をぐいぐい引いちゃう甘えんぼ。
    そして気にかけてくれた兄上様の胸元にすかさず潜り込み、ぬくもりなんか感じちゃったりして、
    『ああ、もう幸せ!壁サークルの新刊を端から全部買っちゃうほど幸せ!』
    っていう風に悦にひたりながら、幸せ街道爆走中。
    さらにその後、2人は見つめ合っちゃって、『まぁ、そんなに見つめないでおくんなまし。』
    なんて、シリアス部分にギャグを入れるおちゃっぴい具合が、大人の余裕丸出しですよね。
    その後、お花畑でメルヘンに追いかけっこしていたら、突如現れたUFOにさらわれて、
    人体改造どんとこいのDNA操作で、MMRはなんだってー!
    やがて、大きな組織と対決することになろうとは、誰が予測できようか…
    …という壮大なプランだったのに、もー!もー!もー!(泣)」

可憐「うわっ、鞠絵ちゃんが壊れた!」


その後、しばらくの間、部屋の中から嗚咽が聞こえたという…


鞠絵「可憐ちゃん、熱い抱擁を…」

可憐「嫌です。」


← To Be Continued


一年ぶりに書いてみたものがコレ。
伊集院光ネタ分からない人は置いてけぼり…。
何かわからないけど、その3に続きます。


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