第一話
〜 悪霊にとりつかれた女の巻 〜



鞠絵「咲耶ちゃん…わたくしにボールを投げて。
    フフ、おじょうず、おじょうず。」








鞠絵「咲耶ちゃん、あしたの運動会ガンバッてくださいね。」

咲耶「うん。」










鞠絵「咲耶ちゃん、なにか食べますか?」

咲耶「家に帰って、鞠絵ちゃんの料理の方がいいな。」










鞠絵「咲耶ちゃん…」

咲耶「………」


鞠絵「咲耶ちゃん…ねえ、咲耶ちゃん。」













咲耶「やかましい!うっとおしいわよ、このアマ!」
ガル


鞠絵「はァーい。」

鞠絵「おまわりさん、ほんとはやさしい姉なんです。そんな大それたことができる人じゃないんです。」



咲耶… ○○才 身長159cm 父親は外交官で現在海外勤務中 母親は不明

ここは都内某所にあるグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所。街でケンカを起こした咲耶は、相手を全員負傷、全治1ヶ月の怪我を負わせた。
事件から数分後、通報を受けた警察官たちに連行され、牢屋の中に入れられていた。



鞠絵「コホッ、コホッ……。」

警部「鞠絵さん、お体が悪いのですか?」

鞠絵「ええ、小さい頃から入退院を繰り返してます。」

警部「どおりで。」

鞠絵「そ……それで……。」

バッ!
鞠絵「咲耶ちゃんは何人くらい殺しちゃったんです?」

鞠絵「きゃーききたくない、ききたくない。」

警部「あのですなあ、誰が殺したなんていったんです?」

警官「ケンカですよ。」

警部「もっとも、相手のゴロツキ共はヌンチャクとナイフを所持、元ボクサーもいる。4人ですが、4人全部で15の骨折…○○も潰されて…おっと失礼、病院送りにしましたがね。」

警官「鞠絵さん、反省をさせて下さいよ、反省を!!」

鞠絵「はァーい。」

警部「しかし、問題はそのあとです。変わってますなァ、おたくのお姉さん。」


警官は咲耶の牢屋の前に立つと、鉄格子を蹴り、咲耶に向かって怒鳴り散らした。

ガシャン
警官「こらッ!起きろ咲耶ッ!鞠絵さんがむかえに来てくれたぞッ!出ろッ!釈放だ!」


しかし咲耶は向こうを向いたまま警官の言葉を無視した。


「ええ!もう釈放ですかーー?」


その言葉を聞き、鞠絵の表情は一転して明るくなった。


警部「いつまでも泊めとけませんよ。」

警官「学校の友人たちは『咲』と『耶』と続くところから『ジョジョ』と呼んでいる…か…かははは…くだらねーっ。」


警官は警察手帳を開き、咲耶に関する資料を読んで嘲笑した。
そしてもう一度咲耶に向かって大きな声で呼びかけた。


警官「こらッジョジョ!出てとっとと帰れというのがわからんのかァァァ〜〜〜っ!」


ゴゴゴゴゴ
そこでようやく咲耶は反応を示した。ゆっくりと振り返り、鋭い目線を送った。

ゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴ
ズオオオ


ベッドの上から起き上がり、ものすごい威圧感を放ちながら、初めて口を開いた。


咲耶「なんだ…鞠絵ちゃんか、フン!帰りなさい、私はしばらくここを出ないわ。」

鞠絵「…………?」


鞠絵はその言葉の意味が理解できなかった。


咲耶「私には『悪霊』がとりついている…。『そいつ』は私に何をさせるかわからない。さっきのケンカの時も、私はその『悪霊』を必死にとめた…だから」


咲耶はもう一度ベッドに寝転がり、天井を見ながら続けた。


咲耶「だから私を、この檻から出さないで。」

鞠絵「咲耶ちゃん…。」


鞠絵は咲耶の言葉に少しショックを憶えた。彼女のことが心配でならなかった。


警部「鞠絵さーん、これですよ。釈放だってのに、さっきからこういって出ようとせんのです…。こういっちゃなんですが、おたくのお姉さん…こっちの方は大丈夫なんでしょうね?」

警官「やれやれ、ホテルじゃねーつーの!」


ガシャン
その時、咲耶と同室にいた3人の囚人が必死の形相で鉄格子にしがみついてきた。


囚人「監房をうつしてくれーッ。こいつのいうことは本当だッ!おれたちは知ってるッ!こいつには本当に悪霊がとりついているんだ。」

囚人「助けてくれッ!おっ…おそろしいーッ。もう悪事は働きませんッ!だからこいつといっしょの部屋はやだーッ。」

ガン
警官「やかましいッ!さわぐのはやめろォッ。」



咲耶「…………。」


プシューッ


咲耶はコーラの缶にボールペンで穴を空け、穴の空いた部分を口で押さえてプルタブを空けた。
そして空けた穴から勢いよく出てきたコーラを一気飲みして、あっという間に飲み干した。


警官「…………。」


警官は呆気にとられて言葉も出せなかった。


咲耶「…………ゲプ。」


グシャ
ベコン

飲み終わった缶を潰し、その辺に投げ捨てた。


警官「コ…コーラだ。」

警部「ろ、ろーやの中でコーラを飲んだ!き…きさまッ!どうやってそれを持ち込んだ!?」

囚人「ヒイイーッ。」

咲耶「だからいったでしょう。『悪霊』よ、『悪霊』が持ってきてくれるのよ。」



カチリ


今週のゲストは咲耶役の堀江由衣さんでーす!
どーもー、皆さんこんばんわ、堀江由衣です。お兄様、ラブよっ
wあははは、全国のお兄様はもうドキドキしてますよw



警部「うぉぉぉぉん。しょ…少女コミックを読みながらラジカセをきいているッ!ど…どうやって!?」

警官「も、問題だぞ、これは問題だぞッ………!」

咲耶「まちなさいッ!この程度のことじゃあ、まだ釈放されるかもしれないわ…。『悪霊』のおそろしさをみせてあげる。」
   「私を外に出したら、どれだけやばいのかを教えるためには……。」


ドン
その瞬間、咲耶の肩から別の腕が出現した。
半透明の腕は人間のそれと酷似し、黒い皮グローブをはめていた。

ギャン
『悪霊』の腕は、牢屋の外にいた警官に向かって伸びていき、腰に装備していた拳銃を掴んだ。
そして、力強く引っ張り、拳銃と紐とを繋ぐ鎖を断ち切ると、一瞬のうちに咲耶の手に握られていた。
他の人間には見えていなかったようだが、鞠絵にはその腕が存在するのがはっきりと見えた。


警官「ああああー。わ…わたしの拳銃が!うばわれちまった。な…なぜ?どうやって!?」

警部「た…たいへんだ!」

咲耶「あなたたち、見えなかったの!いまの私の『悪霊』が!」


いきなり咲耶は銃口を頭に向け……


咲耶「見えないのなら、これではどう?」

鞠絵「さ…咲耶ちゃんーッ!」


引き金を引いた。

カチッ
ガーン


「ひええあああ!!!」





ハーッ、ハーッ、ハーッ、ハーッ、
ハーッ、ハーッ、ハーッ、ハーッ、ハーッ、

ズズズズ

弾丸が咲耶の頭にとどく前に、一瞬早く『悪霊』の手が弾丸を摘み取っていた。


咲耶「私のうしろにだれかがいる。最近とりつかれたみたいなのよ。」


ズズズズ
『悪霊』の手は再び咲耶の腕の中に消えていき、弾丸を捨てていった。


鞠絵「兄上様も…不思議な力を持っているけど。さ…咲耶ちゃんは、い…いったい…!?」











ー大西洋 アフリカ沖 カナリア諸島ー

            4年前 


ドッドッドッドッドッ
いくつもの島からなるカナリア諸島。そこはほとんど人間の手が入ってなく、自然があふれているところだった。
その海に一隻の船が停泊していた。
その船はワイヤーで何かを引き上げているらしく、辺りには潮の音とワイヤーの機械音が響き渡っていた。

キャリ、ギャリ、キャリ、ギャリ、キャリ、ギャリ

ドバザザアアア

しばらくすると、その何かが水面から姿を現した。
海底から出てきたものは、縦70cm、横2mの横長い棺桶に似た箱だった。


「や…やった。ついにひきあげたぞ。百年前に沈んだ宝の箱を。」

「た、宝の箱にしては少しひょろ長くねえかい。」

「は、早くあけようぜッ!」




我われは…この箱に見覚えがある…。
このブ厚い鉄の箱を知っている。
百年ぶりに大気を吸ったこの棺桶を!




…………
…これなんのSS……?
え〜と、自分で書いといてなんだけど、全く意味不明なモノになってしまいました。
とりあえず、へっぽこ実験的に書いてみたのですが、あまりにも評判が良くなかったです。
よって、打ち切り。
一応、置いとくとこは置いとくけど、続きを書くのは無理です。
自分で引いてたから……。


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